病気やケガをしてから「気持ちが不安定になった」「前向きになれない」と感じることはありませんか?
「体の痛みや不自由さだけでなく、心まで弱くなってしまったのでは…」と自分を責めてしまう方もいます。
でも実は、病気やケガをきっかけに気持ちが揺れるのは、ごく自然な反応なのです。
この記事では、その理由と、心と付き合うための工夫について作業療法士の視点からお伝えします。
なぜ心が不安定になるのか?
病気やケガは体だけでなく心にも大きな負担を与えます。
- 痛みや体の制限
手術後の痛みで動けない、骨折で仕事や家事ができないなど、生活の自由が奪われると気分は沈みやすくなります。 - 生活の変化
入院で家族と離れる、仕事や学校に行けなくなるなど、普段の生活リズムが崩れることで不安が強まります。 - 将来への心配
「元の生活に戻れるのか?」「仕事に復帰できるのか?」という疑問は、心を大きく揺さぶります。
このように、体の痛みや生活の変化が重なると、心が不安定になるのはごく自然なことなのです。

不安定な心と上手に付き合う5つの工夫
1. 気持ちを否定しない
「落ち込んではいけない」と思うほどつらくなります。
「不安になるのは自然なこと」と受け止めることが、安心への第一歩です。
2. 支えを受け入れる
家族や友人、医療スタッフに気持ちを伝えるだけで安心感が生まれます。
「迷惑をかけたくない」と思う人も多いですが、誰かに支えてもらうことは回復を早める大切な要素です。
3. 小さな希望を見つける
「昨日より少し歩けた」「今日は痛みが少なかった」など、わずかな変化を前向きにとらえましょう。
小さな進歩に気づくことが心の回復力につながります。
4. 安心できる習慣を作る
お気に入りの音楽を聴く、日記を書く、寝る前に呼吸法をするなど、日常に「安心の合図」となる習慣を取り入れると心が落ち着きやすくなります。
5. 生活リズムを整える
病気やケガで活動量が減ると、昼夜逆転や食欲不振になりやすいです。
起床時間を決める、朝日を浴びる、食事を規則正しくするなど、生活リズムを整えることも心を安定させます。

よくある疑問:「落ち込むのは甘え?」
リハビリの現場でよく耳にするのが「気持ちが弱いから落ち込むんですよね」という言葉です。
しかし、これは誤解です。落ち込みは「心の弱さ」ではなく「体と生活の変化に対する自然な反応」です。
むしろ「心が揺れていることに気づけている」こと自体が大切な一歩なのです。

作業療法士の視点から
リハビリの現場では、多くの方が体だけでなく心の揺れと向き合っています。
「気持ちが不安定になるのは自然なこと」と伝えるだけで、安心した表情に変わる方も少なくありません。
体の回復を目指すと同時に、心の回復をサポートすることが、より良いリハビリには欠かせないと実感しています。
まとめ
病気やケガをしてから気持ちが不安定になるのは、誰にでも起こる自然な反応です。
気持ちを否定せず、支えを受け入れ、小さな希望や安心できる習慣を取り入れることで心は少しずつ落ち着いていきます。
「心が揺れるのは普通のこと」——そう理解するだけでも、安心につながります。
今日から、自分にやさしい言葉をかけ、生活の中に小さな安心を増やしていきましょう。


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