認定?専門?作業療法士の生涯教育制度とは??

記事のまとめ

  • 作業療法士の自己学習を支える為にある制度が『生涯教育制度』
  • 生涯教育制度を受講することで、認定作業療法士や専門作業療法士として認められる
目次

生涯教育とは??

 医学の分野において、治療や検査等の方法は日々、進化を遂げており、その変化はリハビリテーションの分野においても同様です。新しい介入方法や評価方法が次々と開発されており、学生時代に大学や専門学校で学んだ知識だけでは、対象者に十分な作業療法を提供できなくなる場合があります。その為、作業療法士は大学や専門学校を卒業した後も、自己研鑽を行い、より深く作業療法を学んでいく必要があります。しかし、病院や施設においては、勤務形態や働いている作業療法士の人数等の問題から、作業療法士として十分な教育を受ける機会を設けることが難しい状況にある場合も多いです。そこで、日本作業療法士協会が、作業療法士としての知識向上や学習機会の提供を行う目的で作った制度が『生涯学習制度』ということになります。

生涯教育制度とは??

 生涯教育制度とは、作業療法士の継続的な自己研鑽を支援する制度として2003年に創設されました。「生涯教育基礎研修」と「認定作業療法取得研修」、「専門作業療法取得研修」の3つから構成されています。

”認定”作業療法士とは??

 認定作業療法士とは、日本作業療法士協会によって次のように定められています。

社会法人日本作業療法士協会認定作業療法士とは、作業療法の臨床実践、教育、研究及び管理運営に関する一定の水準以上の能力を有する作業療法士を本会が認定したものをいう。

 認定作業療法士規程第3条より引用

 つまり、作業療法士として優れた「臨床実践能力」「教育能力」「研究能力」「管理運営能力」を有していると認められた証だということになります。
もちろん、認定される為にはこれらの能力を日本作業療法士協会に認められる必要があり、所定の要件をクリアした作業療法士のみが、認定作業療法士として認められます。

”専門”作業療法士とは??

 専門作業療法士とは、日本作業療法士協会にて次のように定められています。

専門作業療法士とは作業療法の中のある分野をより深く知り、その分野における高度な課題解決能力を有する人たちです。つまり、この専門作業療法士は次の3つの役割を果たす能力を満たします。

(1)専門作業療法士分野において、高い見識(物事を見通す優れた判断力)と優れた技術力(技術の向上・

   洗練と新しい技術の開発応用能力)によって卓越した作業療法を実践することができる能力

(2)専門作業療法士分野において、困難な事例に対応できる能力

(3)認定作業療法士のもつ能力を専門作業療法士分野で応用できる能力。すなわちその能力とは、

作業療法士の実戦能力を向上させるため教育能力、専門家集団を率いて統率・指導を行う能力、

専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う能力

一般社団法人日本作業療法士協会HPより引用

 専門作業療法士になるには、認定作業療法士になった上で、更に10個の作業療法に関する分野から1つを選択し、その専門性を高めていきます。つまり、認定作業療法士から更に専門性を高めた証であり、まさに作業療法士の各分野におけるエキスパート的存在です。

最後に

 生涯教育の受講には、かなり長期的な時間を要します。その為、計画性を持ってコツコツと作業療法士として研鑽を積んでいく必要があります。まだまだ、認定作業療法士、専門作業療法士ともに全体の作業療法士の数からするとかなり希少な存在といえます。その為、今こそ認定・専門作業療法士の資格取得に向けて準備を進めていくチャンスです。


生涯教育制度のより詳しい詳細は、日本作業療法士協会のHPをご覧下さい。

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