PICO/PECOとは??

                      記事のまとめ
・PICO/PECOは、研究テーマ作成に必要な情報の頭文字を取った略称
・PICO/PECOは、クリニカル・クエスチョンをリサーチ・クエスチョンに作り変えるツール
・PICO/PECOは、具体的に記載することが大切

目次

PICO/PECOとは??

 PICO/PECOとは、

 Patient:誰に(対象)、Exposure/Intervention:何によって(要因/介入)

 Comparison:何と比較して(比較対象)、Outcome:どうなる(効果)

の頭文字を取った略語を示します。

何に使うの??

 PICO/PECOは、主に研究テーマの骨格作りとして利用されています。
臨床の現場勤務や論文検索を行っていると、様々な疑問が浮かんでくることがあります。これらのパッと浮かんだ疑問を『クリニカル・クエスチョン(clinical question)』と言います。研究分野においては、こうした疑問を足がかりに解決していく為の方法を研究していくのですが、クリニカル・クエスチョンをそのまま研究テーマとして利用しようと思っても、パッと思いついただけの疑問ですから、研究テーマ自体もかなり不透明な状態となります。そのため、研究自体がぼやけてしまい、上手く研究結果がまとまらない所か、そもそも研究を始めることすら困難となりかねません。
 そうした事態を回避するために、浮かんだクリニカル・クエスチョンを言語化し、研究ができる骨格へと作り上げていく必要があります。これらの骨格作りとしてPICOやPECOは用いられます。また、クリニカル・クエスチョンからPICOやPECOを用いて構造化された研究疑問を『リサーチ・クエスチョン(research question)』と言います。

PICO/PECOの書き方

・Patient:誰に(対象)

 ここでは、研究の対象者を設定します。対象者は、できるだけ具体的に示すことで、自身の疑問を解消する対象として適しているか、または、対象者の選定方法も明確にすることができます。また、ここでは除外基準も設けておく必要があります。

・Exposure/Intervention:何によって(要因/介入)

 ここでは、多くの場合、自分がクリニカル・クエスチョンとして最も興味がある事象がきます。PECOの場合は、Aという要素がある群とない群の比較など、ある要因が結果に与える影響について調査します。一方で、PICOの場合には、B法という新しい介入方法と従来の介入方法を比較するなど、ある介入が結果に与える影響について調査します。ここでも要因であろうと介入であろうと、具体的な要因や介入を示すことが必要となります。

・Comparison:何と比較して(比較対象)

 効果の有無を明確にするためには、2で述べた要因や介入の効果を明らかにした上で、別の要素があるものと比較する必要があり、ここではその比較対象を明記します。介入研究の場合は、介入自体が効果を上げる因子になるという指摘を受ける場合が多いため、介入あり群となし群の比較を行うのではなく、別の介入群と比較することが一般的です。

・Outcome:どうなる(効果)

 ここでは、何を持って効果ありと判定したかを明らかにする必要があります。
そのため、効果は測定可能であり、かつ対象者・治療・社会にとって必要性の高い内容でなくてはなりません。また、研究者の心理として、複数の効果を同時に見たいと思いがちですが、効果はできるだけ1つか2つに絞ることで結果を研究結果を明確にすることができます。

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